(´・ω・`)板垣恵介+夢枕獏=ゆうえんち
■概要
刃牙の最凶死刑囚編スピンオフ。
最凶死刑囚編の冒頭で「敗北を知りたい」と語った柳龍光はしかし、その時点で既に逮捕されている――。
柳にとって逮捕とは敗北を意味しないのか? そもそも柳を捕まえたのは誰なのか?
原作の謎に迫る外伝小説。
■あらすじ
愚地克己の実兄・葛城無門はとある理由でサーカスを脱走し、松本太山に弟子として拾われる。
父と子のような交流、そして鍛錬の日々を経て迎えた「卒業」の日、いつもの場所に現れた太山は致命傷を負っていた。
太山を殺した人間――柳龍光の手がかりを追う無門は、裏の格闘技イベントの一つ、「ゆうえんち」へ参加する。
■一言感想
面白かったっす。刃牙好きなら買っていいんじゃないかな。夢枕獏文体がいい感じにハマってる。
■ゆうえんち
地下闘技場に続く第2の裏イベント。それがゆうえんちです。
主催はいつもの徳川のおじいちゃんではなく、蘭陵王という新キャラ。徳川以外にも物好きな金持ちっていたんだ...。
徳川おじと違い、蘭陵王は本人もめっちょ強いです。
その蘭陵王が開催するゆうえんちつーのは、いうたら前田光世方式のバトロワっすね。
移動可能なフィールドが区切られていて、参加者はその中で自由に行動できる。出会ってしまったら闘う。参加費として500万円を身につけて歩き、勝った方はそれを奪う。武器の持ち込みはなし。
このイベントをゆうえんちと呼ぶわけです。
たかが500万のために強者が集結することはあんまりなく、概ねみんな強者と出会うために参加するわけですよ。
あるいは、敗北を知るために参加する...とかね。
■葛城無門の因縁
さて、本作は主人公である葛城無門の因縁を1個ずつ丁寧に片付ける作品です。因縁がいっぱいあるんです。
まず、今作の主人公は克己の兄なんですよ。そんなやついたか...?とか言ってはいけません。いたんです。
その兄貴が、原作でも触れられていた父親=神奈村正助の事故死(ライオンに食われるやつ)の2日前にサーカスを脱走し、色々あってヤクザに追われていたところを梢江の父親に拾われるんです。
なんか餓狼伝の導入ぽいなとか言ってはいけません。
なぜ脱走したかつーと、実はこの神奈村正助ってのがろくでなしだったんですね。彼は無門の実父を事故に見せかけて殺害し、そして無門の実母と再婚。気に入らないことがあるとすぐ暴力を振るうたちだったため、無門は自分を鍛えて正助に立ち向かい、そして靭帯を痛めつけて逃亡。その2日後に、正介が怪我をして弱っていることを察知したライオンが正介を殺害。
そういう、原作では語られていない隠されし真実が存在したんですよ。
無から生えてきた真実じゃねぇかとか言ってはいけません。
おまけにその後、無門を拾ってくれた太山は、娘の治療費を稼ぐためにゆうえんちへ参加。柳龍光と接敵し勝ち確の状態まで持ち込むも、「娘さん大変なんだってね」と呟かれて動揺しちゃうんですねぇ。そして致命傷を食らってしまい、無門の下まで帰り着いた直後に息絶えます。
これら全ての決着をつけるために、ゆうえんち突入後は因縁の大渋滞なんですよ。
まず柳龍光が出てくる。これはわかります。師匠の仇だからね。
次に神奈村正助の弟、すなわち無門の叔父である神奈村狂太も出てきます。まあこれもギリギリわかる。義理とはいえ父親を遠回しに殺した件はケリつけないといけないからね。狂太ってお前本名かよという感じですが、この人はグラップラーではなく数学者が本業らしいので本名なんでしょう。芸名を使う学者は聞いたことないし。
でもこれだけじゃない。なんとライオンも出てくるんですよ。正介を殺害したあのライオン。蘭陵王が「なんかに使えると思って買い取っておいたからゆうえんちにリリースするか...」とか抜かして送り込んできます。でも神奈村狂太が「これが兄貴を殺したライオンね」などと述べて瞬殺します。なんやねん。
そして...弟・克己を引き取った愚地独歩だって出てきちゃいます。無門とは全然関係ないとこで龍金剛(地下闘技場に出てた相撲取り)と戦います。なんやねん。
...ともかく、そうやってややこやしく絡んだ無門の因縁をほぐしていく感じの話です。
もちろん無門の話だけじゃありません。サブキャラとして柳以外の空道門下生だって出てきますし、上に書いた独歩VS龍金剛や、プロレスVS久我重明(餓狼伝の人)も見せてくれちゃいます。
やーしかし、刃牙と餓狼伝が接続されちゃったけど今後、大丈夫なのかな。松尾象山と独歩ちゃんって立ち位置被ってるような気もするが。渋滞起こさないかしら。
(同じ場所に出さなきゃいい話なんだけどさ)
■その他登場人物
VS柳龍光の結末は...買って欲しいので書きません。
ちゃんと決着しますよ。どうして逮捕されてるのに敗北してないか、も原作読んでれば納得できるしいい感じでした。たしかみてみろ!
他の原作キャラでいうと、マスター国松は結構ガッツリ出てますね。この人、花山外伝(GMが出てくる方)にも出てたし使いやすいんかな。今回は元門下生の柳が出てくるので当然ちゃ当然か。
後は...回想シーンで渋川先生と花田が出てます。なんか謝男のキャラ(名前忘れた、アレ連載でしか読んでないんだ)も回想で出てます。
餓狼伝からは久我重明や磯村露風が出てるし、刃牙は知らんけど夢枕獏はわかる的な人も読んでて楽しいかも。久我重明なんかメイン格で出てますからね。
刃牙好きなら読みましょー。
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コメント
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