(´・ω・`) 満たされるものを探して〜♪













■OP/第1話








■あらすじ


鴻上ファウンデーションが保管していた「オーメダル」の封印がひょんな事から解かれ、800年前に封印された怪人「グリード」たちが復活してしまう。
放浪癖のある青年「火野映司」は事態に巻き込まれ、グリードの1人である「アンク」に促されて仮面ライダーオーズ に変身。メダルを巡る戦いに身を投じることになる。



■作品概説


仮面ライダーWに続いて2010年〜2011年に放送された、第2期平成ライダーの2番目の作品。「主人公が世界を放浪していた」「相方が刑事(?)」「古代の遺物を使って変身するライダー」「蘇った怪人」などなど、クウガと共通する要素が多い。
(実際、クウガを意識して製作したらしい)

個人的には、ライダーで1番面白かったと言ってもいいかなーどうしようかなーというぐらい面白かった。今まではクウガが断然1番だったけど迷うよこれは。方向性違うし両方1番ってことでいかんかな。

キャラの掘り下げをきちんとやってるところが本当に熱い。ゼロワンの視聴後に見たせいかもしれないけれど、ライダーってこんなに尺に余裕があったんだね……というお気持ちになった。
設定周りの話がほとんど入らなかったからかな。思い返せば、ゼロワンは設定の話しかしてなかったような気がする。
800年前の王の話を「そういう奴がいた!」で終わらせたのは英断だった。現代の部分だけ理解しておけば十分ついていけたしね。

逆にキャラクター個人の過去回想はきっちりやってくれたので非常に良かった。



■思い出に残った回


第6話「お洋服と契約と最強コンボ」
オーズめちゃくちゃ面白いやんけ!となった回。終盤、映司が「欲望があるってのは……いいんじゃない?」と静かに作品テーマを肯定したあと、テーマ曲をバックに叫びながらガタキリバへと変身するくだりが熱かった。

第8話「サボりと無欲と休憩中」
ガメルが自分からヤミーを生成してしまい、あれゲストがヤミーの親になるんじゃないの……?こっからどう話を繋げるの……?と首を傾げていたら、まさかの「宝くじが『当たった』」で強引につなげてきて変な声が出た回。

ゲスト旦那の「なんか……欲望がなくなっちまった。なくなるとダメだな」みたいなコメントが結構ぐっときた。1時間完結の短編だと、やっぱりこういう本筋と関係ない真理セリフみたいなんが欲しいよね。

しかし後から気づいたけど、この「欲望がなくなって枯れた」みたいな話、のちの映司の過去に繋がるんだなぁ。構成がうまい。

第30話「王とパンダと炎の記憶」
ドクター真木の退職回。

ドクターねー。登場時に「終末が重要」とわざわざ会長とは真逆のこと言うててね、なんかあるんかなと思ったらまさかの離反とは。
この回だったか1個前だったか忘れたけど、伊達さんとの会話が悲しいね。「俺はあんたのことも心配してるよ」……。伊達さんはそういうこと言うだろうなー。でもドクターみたいな人が苦手なのって伊達さんみたいな人種なんだろうな。キャラ造形がきちんとしてるのでそんなことを想像してしまった。

知世子さんとの出会いをきっかけに社会と決別し、メダル片手に研究所を去るドクター。姉を通してしか、人形を通してしか社会と接することができず、自分自身がされることに耐えられない。
自分ではなく、自分がやったこと、やっていることを見てほしくて研究者になったのかもね。

第32話「新グリードと空白と無敵のコンボ」
伊達さんが映司の過去を思い出す回。
目の前で救えなくて、欲望を失って、残ったのはただ力への渇望と。「明日のパンツ」にまさか真っ当な背景があるとは思わなかった。ライダーのこういうキャラ付けがメインストーリーに生かされることってないじゃないですか……。

第34話「親友と利用とその関係」
世間一般では「キタムランド」と言われているらしい回。
北村が映司に「めっちょ嫌だったわオメー」とか言い出すあたりにだいぶパワーがある。ここ、喋ってる北村もそうだけど、黙って最後まで聞いてからメダルもらって出撃する映司も相当だよな。まさか平成ライダーでこんな話を見れるとは思ってなかったので印象深い。

第46話「映司グリードとWバースとアンクの欲望」
一番印象深い回かもしれない。
「俺は…俺は欲しかった…
欲しかったはずなのに諦めて蓋をして…眼の前の事だけを―
どんなに遠くても届く俺の腕!力!もっと!もっと!!
…もう叶ってた。お前から貰ったんだ。
一度も言ってなかった、アンク…ありがとう。」
いやー……これで全部繋がっちゃったのが激ヤバでしたね。

なんかねー、ずっと不思議だったんですよ。
映司って、アンクにだけあたりが強かったじゃないですか。俺がオーズに変身するとか騒ぎ出した後藤ちゃんにすら(?)優しかったのに。
もう、ずっと不思議で。

それが46話にしてようやくわかったんですよ。映司、アンクに甘えてたんですね。というか、唯一甘えられるのがアンクだけだった。アンクが自分の欲しい「力」をくれるから。自分の願いを叶えてくれた存在だから。アンクにだけは甘えられた。

なので、殴られて「ありがとう」とか言っちゃう。あっこれはちゃんと言わないかんやつやなと思ったんでしょう。
一体どこからそういう想定で演技してたのかは謎ですが、少なくとも自分の中では完全に話が噛み合いました。

第47話「赤いヒビと満足と映司の器」
アンクのメダルにヒビが入る回。
ヤバかったね。クウガ48話並みの殴り合いの果てに、急にアイス代出したりするし。映司を消そうとするドクターをアンクは止めちゃうし。ドクターは奇行に走るし。
でもこの後、欲望の化身が「満足してる」とか言い始めたあたりであっもう本当に終わるんやなと思った。満足するんじゃねぇ……。

最終話「明日のメダルとパンツと掴む腕」
会長とドクターが、ちゃんと最終決戦前の問答やってたのが良かったですね。
映司達もきてピリピリしたムードの中、柵から落ちるウヴァさん。マジでなんやねん。もう最終回やぞ。

ヒビメダルを投げちゃうアンク。ヒビメダルを受け取ってひるむも、すぐに変身動作へ移る映司。天空でドクターの欲望を完成させた後、落下する。

「そうだ。お前達といる間に、ただのメダルの塊が死ぬところまで来た。
こんな面白い、満足できる事があるか」
「お前が掴む腕は、もう俺じゃないってことだ」 

ここ良かったよねぇ……。
しかし、お前が掴む腕は〜って映司への理解度高すぎでしょ。
映司ね。アンクにしか甘えられず、自分を甘やかすこともできず、ただ大きな力を求めて命を削るだけだったので、もちろんこのコメントが最適なんですが……これを言えるってことこそが、「ただのメダルの塊が死ぬとこまで来た」ってことなんだろうな。

まあほんとそうなんだよね。自分でなんでも抱え込むんじゃなくて、頼ればいいんだよ。口で言うのは簡単だけど、伝わらない話だよな。
だから、1年通して頼られて来たアンクが言わなきゃいけなかったんだけど。何も死ぬこたーねーよなー。
なー。



■その他、キャラの話


後藤ちゃん
サブ主人公。序盤のプライド高すぎマンからめちゃくちゃ変わったよね。それを見守る会長も良かった。
まーしかし描写がやたらリアルでしたねー。最初は「オーズになる!!」とか叫んでたレベルだったのにプライドをへし折られてしまい。キタムランドではバースに変身する機会があったのに変身せず、1億作ろうとしたときに会長から「欲望が小さくなっとるやんけ!!」と怒られる始末。折られた後の描写として適切すぎる。
そんな後藤ちゃんでしたが、伊達さんというメンタル安定マンの着任後になんとか成長し、無事バースへと変身できました。良かった良かった。

ウヴァさん
初登場時がピーク。出てくるたびに「これ以上株を下げられるのか……?」と思っていたぐらい下がりっぱなしだったが、まさか最終回の緊迫した場面で柵から落ちるとは思わなかった。強すぎる。
終盤、メズールを復活させようとするガメルを見て「俺は俺でやるわ、じゃーな」って言ったとこはよかったね。アレ、冷たいように見えて表情が隠れた状態で言うてるので、多分言葉通りの意味ではないよなぁ。メズール、ガメルの復活のために奔走してたしね。

カザリ
序盤〜中盤は狡猾キャラっぽいムーブでうまいこと立ち回っていたが、中盤以降は「仲間が欲しい」と変節。オメーが実験台にしたせいで2人減ったんやんけ!
最後は復帰したアンクに「場所を取られたくない!!」とか抜かして襲いかかるも逆襲され、ドクターにメダルを砕かれ退場。
一番ようわからんキャラだった。脚本の都合を感じないこともない。まあでも、ドクターの欲望を感じ取って、弾除けとしてメズール、ガメルを復活させただけなのかも。アンクと手を組んでドクターをしばいておけばこんなことには……。

ドクター真木
初回登場時は、人形を失って慌てふためく→3分ほどで何事もなかったかのような顔で画面復帰して変な声が出た。あー変人タイプのギャグキャラねと理解したが、中盤以降はまさかのラスボスに。
研究所で自分の部屋持ってたし、好き放題やってたみたいだったし、成功した部類よね。でも生きづらかったんだろう。
結局最後まで姉貴のことを忘れられなかったあたり、悪人になりきれないんだよな。終盤でもアンクが映司と戦うのを眺めて待っててくれたし。
まーでも、そこで自分の欲望を優先して紫メダルを回収しない、そういう一歩下がったというか、過度に内向的なスタンスが彼を終末へ導いてしまったのも事実。
どうなれば良かったんだろうね。正直、ドクターみたいなタイプの人間がどうなってれば幸せだったのかわからない。楽しそうにしてたこと、劇中では1度もなかったし。



■余談

映画だとアンクが復活するようですが、怖いので見ないでおきます。
いや大丈夫だとは思うけど……でも何があるかわからんし……ね……?



 
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