(´・ω・`)新生児の皆様へ



 


グランブルーファンタジーという、空を旅するゲームがあります。
増築に増築を重ね、ブラウザゲーの極北まで来てしまったようなゲームです。

グラブルの特徴は、とにかくプレイに時間がかかること。
キャラクターを強くするためには、武器が必要です。武器を強くするためには、素材が必要です。素材を集めるためには、何度も何度も同じクエストをクリアしなければいけません。

あまりにも同じ動作を繰り返すので、ゴールドファーマーはbotを使い、ユーザーの一部はツールを使っています。こうしたプログラムはゲームの規約で禁じられていますが、残念ながらサーバ側の検出機能には限界があるのです。



しばらく前に、エンドコンテンツの1種である「十天衆」のレベルを全て100にすることで得られる称号がゲームに追加されました。
その称号を最速で取得した「トキ」というユーザがいたのですが、後にツーラーであったことが発覚。「アミバじゃねーか!」の声とともに、お空はツールの炎に包まれました。

そういうゲームです。


3年にわたって展開されたイベントシナリオ「どうして空は蒼いのか」3部作など、ストーリーラインには目を見張るものがそれなりにあるのですが、ゲーム本体がこれではちょっと。
そういうわけで僕とchangは、ゲルマン民族よろしく新たなゲームへ大移動することにしたのでした。
およそ1ヶ月前の話です。



そして1ヶ月後の今日、僕がどうなっているかというと、新天地ことプリコネにどハマりしています。

グラブルと比較してプリコネが優れているのは、スキップチケットの存在です。何と1度クリアしたステージであれば、スキチケを使うことで瞬殺可能。50周回だろうが100周回だろうが、1タップで済むわけです。

またストーリーラインも、なかなかどうして面白い。
主人公は、新生児レベルまで脳が退化した一般人です。どうもこのゲーム、前作があった上での新バージョンのようなのですが、前作ラストで色々あったせいで、主人公は脳(あるいは精神)をやられたようですね。

新生児、とはものの例えではありません。赤ん坊に比肩することができそうな程度の知能しか持っていないのです。
例えば、お金が何かわからず口に入れてしゃぶり、小学生に叱られる、とか。
冗談抜きでこんなシーンがありますし、劇中で「新生児か?」と真顔で聞かれます。信じられなくて3度見しました。昔(2004年ぐらい)はヒロインが介護される側だったような記憶がありますが、最近は主人公が介護される側なんですね。

直近のファンタジア大賞なんかは、もうタイトルが火の玉ストレートという感じ。

甘えてくる年上教官に養ってもらうのはやり過ぎですか?

世の中のトレンドなんでしょうか。遺跡のネット回線は今だにADSLですし、豚は21世紀版テレホタイム待ちを実施中。実社会から取り残された超古代の哺乳類には難しすぎる話です。
※テレホタイム待ち・・・集合住宅において回線がトータル1本しかない場合、他の入居者が寝るまで待つことで快適なインターネッツ環境を楽しめる。



さて、そんなストーリーが激ヤバなプリのコネで僕が楽しんでいるコンテンツは、アリーナ。育てたキャラクターでパーティを編成し、他人のパーティをボコボコに出来る、いわゆるPvPに近い遊び方です。
(自分がボコボコにされる場合ももちろんあるのですが、スカッとしない話なのでここでは省きます)

これ、グラブルになかったんですよねぇ。ブラウザ三国志ですらタイマンが存在したのに。
一応、マルチバトルのRTAがPvPと言えなくもないのですが、アレも結局ボタンを押す速度との戦いなので、ツーラー有利なんですよね。グラブルのUIは本当にひどい。

で、このアリーナにおいて無類の強さを誇る(らしい)のが、タイトルに記した水着キャルなのです。



水着キャルについて説明するためには、まず水着を着ていない普通のキャルから説明すべきでしょう。

作中におけるプリコネはもともとVRMMOで、それが前作のなんやかんやでプレイヤーを飲み込み、現実に戻れないよう縛り付けてしまったわけです。
従って、登場するキャラクターのほとんどは、「ゲーム内の世界」「現実の世界」の2種に属するわけです。

キャルは、いずれの世界でも恵まれていません。

現実では、毒親にあれやこれやと「オカルト思想的に正しい」行動を指示され、縛られる毎日。おまけに母親が積立金を払っていなかったせいで、修学旅行にも行けませんでした。
(余談ですが、修学旅行に行けなかったソシャゲのキャラクターは初めて見ました…)

ゲームでは黒幕に使役され、スパイとして主人公のギルドに潜り込みます。主人公チームと行動をともにするうちに友情が芽生えるのですが、しかし毒親に育てられたキャルは、黒幕を裏切ることができません。彼女はどうしても、目上の人間に認められたいのです。呪いというやつですね。
もちろん、主人公たちのことも裏切れない。物語が進行するに連れ、彼女はどんどん追い込まれ、料理の味を認識できないような精神状態に至ります。

設定があまりにもあまりゆえ、インターネッツ上では「バイト代をオクトーとか言うパチンカスに持っていかれる女」なる二次設定が勝手に付与されてしまいました。
どうしようもありません。

そんな彼女が海に行き、任務を忘れて思いっきりはしゃげたときの姿…という設定を持つのが、今回のガチャで復刻された水着キャルなのです。



本題に戻ると、水着キャルはアリーナで強いわけです。アリーナ好きとしては、引かざるを得ないわけです。
星3(グラブルのSSRに相当)のキャラクターを引く確率は、2.5%。信じられないかもしれませんが、グラブルの3%より渋いんです。

しかし、虎穴に入らずんば虎子を得ず、ガチャを引かざればキャラを得ずと、古代中国の書にもあるわけです。あの始皇帝ですら、厨性能のキャラを求めて日本のサイゲームス本社に徐福を遣わした故事もあります。
引く以外に活路はないのです。



結論から言うと、全く引けなかったので天井(300連)せざるを得ず、6万飛びました。引っ越しを目前にして-6万ですよ。
一体、どこがパチンコ代を取られる女なのでしょう。むしろ、僕がパチンコ代を毟られたようなものです。

キャラの二次設定を如実に体感させてくれる神ゲー、プリコネ。深いですね。
あまりにも深すぎて、グラブルに関わったPことKMRがプリコネの現行Pであることを思い出してしまいました。ブロックバスターを倒産させたCEOが、セブンイレブンの元CEOだったような話です。
いやー、深いですね。



そんなこんなで6万失った僕は、一緒に昼飯を食べたとき、changにそのことを話しました。changはおもむろにプリコネを立ち上げ、10連ガチャを1度回し、とても軽い、なんでもないことのような雰囲気で言いました。

「あ、出たわ」

「は?」

信じられません。つまり、キャルは僕から抜いた6万をchangに貢ぎやがったわけです。
もちろんこの時点でchangの財布の中身に1円たりとも変動はありません。しかし、しかしですよ、今の一瞬でパチ屋に瞬間移動して全額スってきたと考えれば辻褄は合います。ダービー兄戦のスタープラチナを上回る挙動ですが、それぐらい出来るでしょう。知らんけど。もうヤケクソだよ。



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