(´・ω・`)モンスターハンター(平松伸二)


■GENJI
DM公式大会『サイキック・マスター』北海道・東北エリア結果

ガードホールが間に合わず、GENJIが初戦のタイトルを奪ったPMエリア予選。
PS3弾で出たこのカードが強力なビートダウンを形成するのはよく知られていたし、ガドホ追加前はTier1こそGENJIという論調が主流だった。
それはガードホール、そしてガンヴィートの追加で一変してしまうのだが…。

メタゲームの話をする前に、読者諸兄の中にはPS限定構築をご存知ない方がいらっしゃるかもしれないので、まず当時のGENJIの構成についてお話ししよう。

■GENJIビートダウン
GENJIビートはその名の通り、強烈な突破力を持つGENJIをフィニッシャーとするビートダウンだ。
それを支えるのが優秀な低コストサイキッククリーチャー群である。すなわち、
・アンタ
・キル
・ジョン
だ。

ジョンになじみがない方もいらっしゃるだろうから説明しておこう。
ジョンは3/2000で、自ターン中に自身を含まない2体のクリーチャーが場に出ていればエンド時に覚醒する。
ちなみにアンタは他サイキックの覚醒をトリガーとして覚醒するので、ジョンキル→アンタアンタという動き方をすれば綺麗に覚醒できるのだ。

ここにGENJIが加わればもう鬼に金棒、グレンモルトにガイハート。鼓動する石版でクリーチャーが落ちた時のような力強さである。

PS構築でも通常環境とはさほど変わらない。上の東北のリストを見ていただければわかるが、 通常と大きく違うのはサンスクリッドが入った程度である。
ビートミラー、また対コントロールという観点からもこの時のスパークは強かった。なにせSA持ちにブロッカー破壊までついているので、トップに賭けるという手が正しかったのだ。
 
■エリア予選
が。

初戦の東北において劇的なトリガーサーフでタイトルを奪取した後、GENJIはことごとくコントロールの前に沈んでいる。
かつて魔境と呼ばれ、本州とは違う独自のメタゲームを発展させることで有名な九州でも、勝ったのはトップをメタったドロマー。ここもまたある意味ではガードホールの陣地だったのだ。 

コントロールの勢いは止まらず、ビートダウンの研究は進まず。このままPS環境は終わるのではないか、直前に追加されたカードが一番強かったのではないか。
殆どのプレイヤーがそう感じていた。否、諦めていた。

あの日まで。

■エリア予選関西
再開されたエリア予選、わずかに残された2つの大会のうちの一つ、関西大会。
古都・京都で行われた予選で、我々は再び思い込みを覆される。

ブロックBで勝ったのは、GENJIであり、GENJIではないデッキ。

上で書いたように、当時のGENJIと言えば4cだった。光水火自然。
ビートダウンにおいて徒に色を増やすことは推奨されない。キルターンを速めるデッキであるが故に引けるカード枚数は少なく、比較的色事故を回避しにくいからだ。
それでも、スーパースパークとサンスクリッドにはその常識からプレイヤーを解き放つだけの魅力があった。誰もがスパークを入れていたし、GENJIを相手にするときはスパークのことを考えながらプレイする必要があった。
はずだった。

関西でようやく力を取り戻したGENJI。相方に選ばれたのはポレゴンとブレイズクローだった。
後に”ぽれげん” として名を馳せるデッキタイプである。
何が強いのか?

ポレゴンとブレイズクローを入れ、キルターンを速める。それはもちろんのことだ。
しかし、それは既に誰もが気付いていたこと。実際に、中部エリアなどでもそうした観点から似たようなデッキを持ち込んだプレイヤーはいた。
が、ダメ。結果につながらない。

しかし、この日は違った。ポレゴンとブレイズクローの真価が見いだされたのである。
この2枚が強力だったのは、そのコスト。そう、5コスホールでジョンタ(ジョン+アンタ)の盤面を作った後、1コスクリーチャーを出せばジョンが覚醒。そのままアンタも覚醒。
ジョンは2回攻撃が可能なので、ここにGENJIを追加すればちょうど6打点である。
フェアリーホールでうっかり赤や緑が落ちれば可及的速やかに致死打点が完成するのだ。

■まとめ
メタゲームは流転する。同じカードプールでも、ゲームは時期によって色を変える。
まさにTCGの醍醐味ともいえる部分だが、PS環境はその醍醐味をまさしく体現していたと言えるだろう。
初戦、そして最終戦(関東エリアはカードプールが違う)において、同じだが違うデッキの優勝。これこそがメタゲーム、これこそがTCG!

このようなカードプールを作り出した開発は本当に凄いと思う。それが売り上げにつながらなかったのは残念だったが…。

ちなみにこのころは権利戦が遅く、エリア戦でブロックの3エキスパンション目を使えるのは普通だった。
やはり2パックでは物足りないところもあるし、是非このころの方式に戻してほしいものである。
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