(´・ω・`)ミラディンブロックのアーティファクトランドはウルザのフリースペルと同じでデザインそのものが失敗してる


■先行発売
2011年1月16日。この日、ドラマティック・ウォーズがWHFで先行発売された。
いつも通りの先行発売のはずだった。

しかし、これは2つの問題を抱えていた。一つは時空の不滅という強力サイキックが封入されていたこと。
もう一つは、これが権利戦の直前だったこと。

瞬く間にヤフオクに出品された不滅の値段は5kを超えた。2枚セットで11kの落札があったと思う。
買えなかったものは戦々恐々としていた。彼らは口々にこう言っていたという。
「不滅大蛇が権利戦にいたらどうしよう!」 と。

■不滅大蛇
それほどまでに彼らを恐れさせた不滅大蛇とは何者だったのか?

それは、DMに現れては消える泡沫の1つ。場から離れる代わりに覚醒する時空不滅をオロチのコストとし、デッキ内に超次元呪文とオロチ、そして大型クリーチャーだけを搭載することにより高速の踏み倒しを狙うデッキである。
ミラミスに近い構成だったのだが、唯一違ったのが、確実に踏み倒せる点だった。

不滅大蛇に入っていたのは概ねデルフィン2枚とアイアンズ1枚。
コンボを起動された場合、概ね負ける。
なお悪いことにこの時代、紋章や転生プログラム、アマテラスはまだ1枚つかえたし、ドラホと社に至っては4枚投入可能だった。
これによってバルカディアスが安全なリセットスイッチとして投入されている。

研究が進むとドロマーに落とされるようにもなったが、それでも依然としてカードパワーが高いことには変わりなく、このデッキは権利戦の主役であり続けた。

後に追加されたラストストームもまた、このデッキに寄与していた。
不滅アンタアンタの場で相手が不用意に殴ってくると、NS大蛇→不滅覚醒→アンタ覚醒→ラストストーム出現→ラストストーム覚醒…という美しい流れを実現できるのだ。


■無冠の強者
それほどまでに猛威を振るい、支持を集めたデッキでありながら。
この時点で、不滅大蛇はメタの頂点にはいない。
それは、同時代に出現した叡智の結晶の存在が故である。

ドロマーハンデスコントロール。

このデッキタイプが獲得したタイトルは数知れず。日本一タイトルを奪ったこともある。
ドロマーは、この時代において長足の進歩を見せ、自身の最盛期を迎えた。

…最強の超次元呪文は、間違いなくドラヴィタホールである。では、最悪の超次元呪文は?
ドラヴィタホールと対になるあの呪文、バイスホールに相違ないだろう。
同じパックで出たにもかかわらず、バイスはしばらく活躍できなかった。潜在能力は圧倒的だったが、出す対象がいなかった。同じパックのディアスZは、ミカドホールで十分出せた。

そこに来たのがPSブロック第4 弾。そう、時空の支配者である。
バイスで呪文を引き抜きながら出てくる、クリーチャー効果の対象にとられない支配者。はっきり言って6マナの行動とは言えない。
バイスを得たドロマーは、権利戦を支配した大蛇すら凌ぐ強さを手に入れた。

そして迎えた第4回関東CS。2011年5月のことである。
不滅大蛇が登場してからここまでの間に、CSはただの一つもない。当時、大規模非公認は貴重だったのだ。
これが大蛇の初陣だった。

結果は語る間でもないだろう。大会は、コントロールの全てを手に入れたドロマーと、当時界隈の情報発信をになっていた古本屋で研究が進んだ黒緑速攻の一騎打ちとなった。

不滅大蛇の戦績は、大蛇を持ち込んだ土浦勢の一言がすべてと言ってもよいだろう。
「大蛇が最強だと思ってた、読み違えた」。

■最後
2011年7月23日、新たな殿堂が施行された。リストは以下の通り。

《ダンディ・ナスオ》
《斬隠オロチ》
《超次元ドラヴィタ・ホール》
《王機聖者ミル・アーマ》
《天雷の導士アヴァラルド公》
《再誕の社》 

結果を残した黒緑とドロマー、そして抑え込まれてても足も出なかった大蛇までもが規制された。ここに不滅大蛇というデッキは完全に消滅する。
同時代に圧倒的な強者がいたがゆえに、能力を発揮しきることなく消えていった伝説のデッキ。もし同時代にドロマーがいなかったら… と、いつも思ってしまう。大蛇はそれほどに魅力的なデッキだった。

この時、コンビ殿堂だけの処置しか受けなかったバイスは、後にアンアンキルヤヌスというもう一つの確殺ルートを生み出すこととなる。
バイスはその後もサイキックが増えるたびに汎用性を増し、ついには禁止カードとなるのだった。
もしここでコンビ殿堂ではなく殿堂カードとなっていれば、禁止にはならずに済んだかもしれない…。 
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