(´・ω・`)朝活(起きれるとは言っていない)



 

■あらすじ
サミット会場で爆破テロが発生。その容疑者として毛利小五郎が逮捕されてしまう。
コナンたちは事件解決のために動き出すが、逮捕劇の裏には警察庁警備局警備企画課…"ゼロ"と呼ばれる公安警察の影があった。


■公安とコナンの噛み合わせの悪さ
コナンってそもそも少年誌的なファンタジックさを持った漫画じゃないですか。ヴィランの名前が「黒の組織」ですよ。黒の組織。敵組織に「デストラクション」とかいう名前をつけてボロカス言われてた「黒豹奪還」(2001年)といい勝負じゃないですか。
おまけにコナンの永遠のライバルとして出てくるのは、「まじっく快斗」の主人公である怪盗キッド。あの作品、魔法が出てきますからね。ヤバイ。まあコナンも胡散臭いシューズとか使うけどな!

そういうわけでコナンという作品は少年漫画の要素が強く、リアル志向というか大人向けのかっちりした探偵ものではなかったわけですが…今作で安室パートを扱おうとした結果、ファンタジーとリアルが混在する作品になっちまったようです。むちゃくちゃ噛み合わせが悪い。実際、出来上がったものを見ても話がちぐはぐであんま面白くありませんでした。
公安パート、作風が青山剛昌じゃなくて麻生幾ですからね。安室の単独スピンオフが出るらしいですけれど、まあだろうなというとこです。そりゃ分けるわ。


■狂信者
今作の犯人、ざっくりいうと「公安のやり方が俺の正義に沿っていないので警視庁潰すね…」なんですよ。スゲェ正義感が強いタイプの人種で、思いつめたら何をするかわからんよーな感じ。
自白シーンで無限に正義を振り回し続けていたのでかなり納得感はあったのですが、問題はそのあと。

今回の犯人、「正義を実行するためなら多少の犠牲はやむを得ない」って言っちゃうタイプなんですよね。もちろん民間人に被害を出したくないという思いはあって、だから冒頭のサミット会場テロでは公安しか現場にいない時間帯を狙っていたんですけれど。
それに対してコナンが説教かますのはいつも通りなんですが、問題はそのあと。

これラストでねー、風見の協力者だった弁護士が風見たちに対してブチ切れるんですよね。「テメーの言いなりの人生送ってんじゃねーんだぞこっちの意思まで自由にできると思うんじゃねー」つって。

結局「正義のためなら違法捜査はやむを得ない」「協力者の人生が一部犠牲になったとしてもやむなし」というのが本作における公安のスタンスで、弁護士はそこに対してブチ切れてんですよね。確かに正義は執行されたかもしれないけど、その正義に協力者の人生を救うことは含まれていないわけ?みたいなね。

だから安室たちのやってることも犯人のやってることも、本質的には大して変わらないわけですよ。本作、事件こそ解決したものの、「多数を救うために一部を犠牲にしていいのか」という説教パートにおけるコナンの質問に対してはなんら回答が示されていないわけです。
もちろんコナンもそこはわかってて、アムロと別れる前に問いただすわけですよ。「なんでおっちゃんを逮捕したの?」つってね。おっちゃんの逮捕は事件を事故として処理させないため、事件化するための安室のでっち上げだったわけですから。

ただ…尺がなかったのか知りませんけどここのオチが最悪。安室は「天才名探偵(=コナン)を巻き込めると思ったから」と回答し、コナンも褒められたからと「いやいや買いかぶりすぎでしょHAHAHA」つって終わっちゃうんですよね。

まーコナンこと工藤新一は推理オタク呼ばわりされる人種なので、どっちかというと事件には巻き込んで欲しいたちじゃないですか。だから登場人物の心理描写の一貫性という点においてはこれが正しいんでしょうけど、作品としてはテーマをぶち上げるだけぶち上げたのにわけのわからん回答置いて終わり、になっちゃってるんで、それは良くないと思うんですよねぇ。
おっちゃんが逮捕されて蘭に泣きつかれた時はあんなに怒ってたじゃねーかよオメー。灰原に八つ当たりするレベルで。そこに対する補償も回答もなく終わりで、それでいいのか?というとこはやはり共感できんかったっすね。

ただ、「個か組織か」というのはこの手の作品でよく取り上げられるテーマなんですが、個人に寄り添うという回答を出した場合、組織を抜けて戦うアウトサイダーにならざるを得ないんですよね。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントやジャック・リーチャーなんかが典型的。
組織を肯定する、という筋立てだとまあこのラストになるのかなーとは思いますけど…コナンが「安室さんたちのやり方とは相容れない」つって終わるラストでも良かったんじゃねーのかなー。

周囲見てると今作の評判は良いので、この手の「お国のために」は時流なのかなとも思いますけどね。今作、「日本を守る」的フレーズがちょいちょい出てきてましたし。


■恐ろしい人
NARUTOの「大した奴だ」みたいなフレーズが好きじゃないので、当然(?)恐ろしい人だ…みたいなフレーズも好きじゃないです。
これは組み立てだけの話なんで、好き嫌いの要素だけかなー。


■僕の恋人はこの国さ
この辺は少年漫画要素なんだと思いますが、麻生幾パートの登場人物が青山剛昌パートみたいなこと言い出したので違和感ありました。
ただ僕はジョディ先生が登場するぐらいまでしか原作読んでないしアニメも見てないので、ちゃんと原作読めば違和感は解決するのかなー。そろそろ黒の組織総集編とか作って欲しいよね。原作、長すぎて今更読む気がしない。

あとは…俺が個人主義ってのもあるんでしょうね。全体最適より特定個人の幸福の側に立つタイプなので、この手のセリフにあんま共感できないんだよなー。「組織はそれでいいかもしれんがオメーの人生はそれでいいのかよ」とか思っちゃう。
今作で言えば、弁護士に共感しちゃうんだよね。何様のつもりだテメー!つって怒ってた人。種運命もアスカに共感してた。俺の人生の重大なテーマは「自分の意思」ですから。


■公安のメンツ
今作の犯人の目的は「公安のメンツを潰すこと」でした。オウム真理教事件の時、公安のメンツはマントル付近まで沈んだらしいので、手段としては合ってるのかな…。


■逆襲のシャア
安室が初登場した前々作「名探偵コナン 純黒の悪夢」(2016年)は、赤井秀一(声がシャア)と安室透(声がアムロ)が方針の違いから殴り合い通りがかった子供に止められるんだけどなんだかんだで最終的に協力し鉄の塊をよくわからないパワーで押し返すという逆襲のシ…どっかで見たような展開だったわけですが、今作も逆襲のシ…どっかで見たような展開でしたね。

途中までは何もなく、さすがに今回はやめたのかなーと思って見てたらラスト、コロニー落としが始まってめちゃくちゃ笑いましたからね。頑張って止めたと思ったら、分裂した半分が地球に落下する計算だってよ!
これで犯人が「お前らの頑張りすぎだ」とか言い始めたら映画館で笑い死にするとこでしたが、さすがにそれはなかったです。


■テロ
今作でネタにされていたのは、
・遠隔操作によるガス爆発
・乗っ取りによる電子機器の暴走
・車両の遠隔操作
でした。

ガス爆発については、「007 スカイフォール」(2012年)で、電子機器の乗っ取りについては「ダイ・ハード4.0」(2007年)で、車両の遠隔操作については「ワイルド・スピード ICE BRAKE」(2017年)でそれぞれ扱われていますね。見よう!

個人的には、電子機器の乗っ取りで回路を焼き切る描写が「マジかよー」ってな感じでした。うっかり過電流流して回路を焼いちゃうのは理系ならだいたい経験してると思いますけど、実製品を乗っ取ったからってそんなこと起きるんか…?通常の制御の範囲内で実現可能っぽく見える圧力釜ボムはわからんでもないけど。
通常の制御の範囲内ってとこで言えば、車の暴走も理解できます。どこぞの車にセキュリティホールがあったせいで、スマホ経由でハンドルアクセルブレーキの操作を全部持ってかれた事例もあることですし。

家電とかのセキュリティはあんまたいしたことないと思うので、乗っ取り自体はSEYANA感あります。コストの関係上、あんまたいしたマイコン使えないことが多いので…。


■総括
・安室パートとコナンパートの噛み合わせが悪い
・逆襲のシャア

以上です。