(´・ω・`)こういう状況に詳しいエルーンの識者





マリオオデッセイにはキャプチャーというアクションがある。ボタンを押すとマリオが帽子を投げ、それがキャプチャー可能なオブジェクトに当たると晴れてキャプチャー成立となる。キャプチャーが成立すると、その瞬間からプレイヤーはキャプチャーしたオブジェクトを操作することになる。

キャプチャー可能なオブジェクトは多岐にわたる。クリボーやハンマーブロスといったお馴染みの敵キャラからマンホールやタクシーといった無機物、サボテンや木のような植物、果てはクッパまで対象とされている。
これはつまり、マンホールやタクシーやサボテンやクッパを操作できることを意味する。
(各キャラで実施できるアクションは限られているが…みんながみんな飛んだり跳ねたり出来るわけではない)

この説明を読んだ人間には一つの疑問が生じるだろう。即ち「キャプチャーが成功し他キャラを操作できる時、マリオは何をしているのか?」という疑問だ。

この問いの答えは簡潔明瞭である。マリオはその時、キャプチャーしたオブジェクトと融合しているのだ。だからこのゲームにおいてプレイヤーが操作するのはやっぱりマリオだけだと言える。
念のため申し添えておくと、キャプチャーしたオブジェクトへマリオが変身するとかそういうことを言いたいのではない。文字通り融合しているのだ。

例えばカエルをキャプチャーするとしよう。カエルはゲーム内で最初にキャプチャーすることになるキャラクターだ。

カエルに向かって帽子を投げる。帽子がカエルに当たる。帽子が当たった次の瞬間、マリオが敵に吸い込まれる。この流れは、なんだかよくわからない異空間に放り込まれたと思ったら次の瞬間には自分がカエルになっていた…という描写をされている。
そしてプレイヤーの眼に映るのは、マリオと同じ帽子をかぶり同じ髭を生やしたカエルって寸法だ。

もちろん、カエルをキャプチャーしたら一生そのままカエルであり続けるわけではない。マリオの意思で(プレイヤーの意思で)キャプチャーを解除することができる。
この時、マリオはオブジェクトから分離され、再び自らの体を得る。一方のキャプチャーされていたオブジェクトは、それが敵キャラクターであるならば気絶した状態でフィールドに放り出され、数秒ののちに消える。
一方でマンホールやサボテンの場合は、キャプチャーを解除しても消えない。その場に残り続ける。

これはおそらく、キャプチャーされたキャラクターの意識がマリオの意識によって上書きされ、人格(と呼べるものがクリボーなどにあればだが)が消滅したことを示唆しているのだろう。消えてしまうクリボーと消えてしまわないマンホールの差はただその身に宿す人格の有無だけであるはずだ。
だから気を取り戻し、自身の意識が消滅したことを魂が確認できるタイミングで肉体は消滅するのである…とそう考えるのが妥当だろう。ここで唐突に魂という概念を出したのは、キャラクターは消滅後に特定の地点でリスポーンするからだ。是れ即ち輪廻転成、ヒンドゥー教的世界観と言える。

最もあらゆる敵キャラクターが消滅の憂き目にあうのではなく、クッパはキャプチャーが解除されると普通に意識を取り戻している。
マリオにキャプチャー能力を与えているのはその帽子(今回の帽子はカブロン人という帽子型の体をした生物だ)なのだが、劇中で「大きいものにキャプチャーし続けるのは無理」と述べていることから考えるに、対象の大きさが一定以上になると意識を上書きしきることができないのだろう。



今回の能力は歴代でもかなりぶっ飛んだ設定なんじゃないだろうか。マリオなんてもともとキノコを食べるだけで身長が倍になるいい加減な骨格の男だったが、相手と融合するなんて初めてじゃないだろうか。これまでは地蔵に変身するぐらいが関の山だったはずだ。俺はコアなユーザとは言い難いから、知らないだけかもしれないが。

というわけで、今回のマリオオデッセイでは「突然自意識を上書きされ死亡する生物」という背筋がゾクりとするものを見ることができる。おすすめだ。