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■あらすじ
前作から8年。ゴッサム警察はほぼ全ての犯罪を駆逐した。
バットマンことブルース・ウェインは、デントの死をきっかけに引退。今ではウェイン産業の職務からも遠ざかり、部屋に引きこもっている。

しかし、屋敷に侵入したセリーナ・カイルによって、母親のネックレスとブルースの指紋が奪われたことをきっかけに事態は急変。影の同盟の遺志を継ぐベインが、傭兵を率いてゴッサムに乗り込んで来た。
指紋を株取引に利用されたことでブルースは破産。ウェイン産業の乗っ取りを防ぐために、役員のミランダに会長職を託し、再びバットマンの姿でベインと戦おうとする。

だがセリーナの策略によってバットマンは敗北。タンブラーなどの兵器はベインに強奪され、ブルースは地下牢獄に幽閉されてしまう。
邪魔者を消し去ったベインは、ウェイン産業の核融合炉を奪取し、中性子爆弾に作り変えた。さらにデントがトゥーフェイスだった事実を暴露、犯罪を隠蔽した支配層への怒りを煽り、貧困層を蜂起させる。

無政府状態となったゴッサム・シティ。中性子爆弾によって、かつてのラーズ・アル・グールの目的が達成されるまで残りわずか。
ダークナイトは、街を救うことが出来るのか。


■ベイン
本作のメインヴィラン…なのだが、ちょっと印象が薄い。と言うのもベイン、実はラーズの遺児であったミランダ=タリア・アル・グールの信奉者としてゴッサムに来ており、本人の意思が物語に関与するシーンがないのだ。
ダークナイト・トリロジーは意志と意志がせめぎ合う物語なので、どうしても存在価値が低くなってしまう。

一度はブルースを下し、牢獄に閉じ込めるものの、脱出して来たブルースを前にタリアがベインの正体(タリアを守ってくれた傭兵)をバラしたところで出番終了。
駆けつけたセリーナに、バットポッドの火器で撃たれて即死する。

シリーズを通して戦闘には格闘が用いられて来ただけに、このシーンのあっさり感が際立つが。そもそもベイン自身、自分が向かうべきビジョンが見えていないし、当然ながらそこに至るための意思も持たないので、この退場は仕方ないと思う。
もし彼が真にラーズの遺志を継ぐものであれば、死にざまは変わっていただろう。
(実際、特に何も考えていなさそうなスケアクロウも扱いが雑)


■ブルースとバットマンの離別
今作の終盤で、バットマンはバット(という名前のメカ)で中性子爆弾を沖合に運び、爆発させる。死んだかと思われたブルースだったが、ラストでGPS付きのネックレスの後を追ったアルフレッドは、セリーナと結婚していたブルースと再会。
1作目でレイチェルが「あなたがバットマンでなくなる日が来たら…」と言っていたが、それを回収するラストだった。

一方で、警察を辞したブレイク=ロビンは、バットケイブを発見。彼がバットマンを受け継ぐことが示唆されて、物語は終わる。
悪と戦う象徴として、バットマンの銅像も建てられた。もはや、ブルースはバットマンではない。それは具現化され、受け継がれる意志なのだ。



■立ち向かう意思
ビギンズでは、ゴッサムの人々はヴィランに翻弄されるばかりだった。
ダークナイトでは、ゴッサムの人々がフェリーの爆破スイッチを押さないことで、悪に立ち向かう意思を見せた。
そして今作、ライジングでは、ゴッサムの人々が立ち上がり、悪と戦うために行動した。
家に篭って面倒ごとをやり過ごそうとしていた警官も結局は立ち上がり、そして撃たれて死んでいる姿が切ない。

一人一人が戦う意思を持ち、行動に移すことで、自分自身を救済できる。そうしたメッセージを持つ映画だったと思う。






 
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