(´・ω・`)あの教会のステンドガラスを広げた両腕でバンバンする映画ね



 


■概要



■004の思い出
普通ね、卒業っていうとなんかいい感じにしんみりするアレだと思うんですけれど、なんせ卒業した人物が人物なのでしんみりせずにやっていこうと思います。

彼と初めて会ったのは、2013年8月の第4回岡山CSだったと思いますが、どのようにして知り合ったのかいまいち記憶がありません。
その時の彼はSKを務めていましたが、なんせまだまともなツールがない時代でしたから、裏で彼は必死こいて手動マッチングとオポ計算を実行していました。多少フロアも歩いていたとは思いますが…基本バックヤードにいる人間とどうやって知り合ったんでしょうね僕。ジャスティスから扉を唱えた時の処理順がわからなくてジャッジコールしたら、004が来たとかそんな記憶はあるんですけれど。

次に会ったのはおそらくレコード立ち上げ直前の2014年8月、第5回岡山CS。この時の打ち上げの飲み会で簡単な資料を配ってレコードについて説明し、参加をお願いしました。

この時の彼は、酒の勢いも手伝ってか雄弁でしたね。
 「野球場かなんか借りて、屋台とCSを両立させたい」
 「600人規模のCSを開きたい」
とひとしきり夢を語っていました。おいおい600とかこいつ正気か??と心中密かに彼の脳みその不具合を疑ったことを覚えています。

なにせ、当時はでかくてもいいとこ200ちょいという時代。その3倍をやろうって言うんですからね。
しかし、彼の夢見がちとも言えるこの発想力は、チームに大きく寄与することになります。

その機会はすぐに訪れました。2014年の公式大会です。
まあデッキ記事だけは出さないとなぁ、との思いがあって、弊社はやや急ぎ足での9月立ち上げとなりました。急いだためにいくつか弊害も発生していましたが、今振り返っても多少待ったところであれ以上うまくやれたとは思えないので、やむなしかなぁと感じています。
(ダースさんにはだいぶ絞られましたが…この辺の話、誰にも全くしてないよなそう言えば)

そんな感じで限定構築向けの記事をいくつか揃え、安心していた僕に、004がラインを送って来ました。
曰く、「インタビュー企画をやらないか」とのこと。

折角だし各地域の代表者には声をかけようと思いつつ僕は弊社を立ち上げたので、関東〜中四国までのメンツは揃っていました。004はそれを利用して、各エリア予選の会場で上位入賞者インタビューを実施しようと目論んでいたのです。

こいつはなかなかいいアイデアでした。特別よかったのは、僕からは生まれない発想だったと言う点です。
当時の僕は、環境的な要因からとにかくややこしいことを避けようとしており、「チームの内外から協力を募ってデータを集める」なんて企画は避けたいものの筆頭でした。
しかし004曰く、面子が足りていない地域は自分の人脈でなんとかするとのこと。そうなれば、止める理由はありません。

そして、この企画は思わぬ副産物をもたらします。九州エリア予選の会場で、弊社のインタビューの模様を見ていたタカラトミー社員が驚き、管理者である僕にコンタクトを取って来たのでした。
その時はちょうどCSサポートの制度化を見据えてメーカが情報を集めていたタイミングで、きっと何かしらいい話が聞けるんじゃないかと思ったのでしょう。

翌2015年、とあるCS会場でメーカの方にお会いした僕は、同席してくださったThunders#36さんとともに、ジャッジ制度やCSサポート制度への要望と、簡単な弊社の現状をお伝えしました。

この経験は、僕がモチベーションを取り戻す役に立ちました。と言うのも2014年末は結構色々あって、僕は早々に1度目の引退宣言を出しかかっていたのです。いくらなんでも早すぎだろと思うかもしれませんが、ああいったことを継続してやり続けるのは大変なんです。色々ありましたからね。

ちなみに、この2014年末にひっそりと相談した相手が004。
僕はなんとかうまいことサイトをこの男に押し付けて自分だけ逃亡しようと考えていたのですが、そこは夢を語る技術に定評のある004、なんかそれっぽい言葉の羅列で僕を立ち直らせました。
(今振り返ると、俺も大概どうかしてるな…まあこう言うのは本当にメンタル削られるんで、フェアプロとかすげーなーって思いながら応援してるよ)

さて、話を戻します。
2015年に入ってなんとか立ち直りつつあった僕ですが、そのタイミングを見計らったのか、2月に004がまたもや連絡を寄こしました。
曰く、「愛知で600人規模の大会をやりましょう!会場はこことここがいけそうです!」と。

これには仰天しました。どうせ酒の勢いで適当ぶっこいてるだけやろと聞き流していた半年前の提案が、突如としてリアリティを伴いながら目の前に立ち上がったのです。
会場を精査すると、恐ろしいことに物理的には可能なようでした。あと必要なのは交通の便と、資金です。

流石に、即答は出来ませんでした。時期が早すぎると思ったからです。
先ほども書いたように、いいとこ200ちょいの大会がやっとの界隈ですよ。600て。まあ現実的に400ぐらいに落としたとしても、集まるはずがない。そう思いました。

けれど、早すぎるんじゃないかと伝えると、004は言いました。

「自分は、来年の4月には研究室配属です。大会運営をやる時間はなくなるでしょう。最後のチャンスなんです」

その言葉で、僕は主催することを決めました。馬鹿げた定員数の、馬鹿げた規模の大会を。到底定員が埋まるとは思えないレベルの大会を。
他のメンバーも異存はなく、開催が決まりました。
(この辺りでなんとなく皆さんはお気づきになられたかもしれませんが、我々はカードゲームのことになるとIQが下がります)


会場の予約抽選は1年前からでした。004がこのタイミングで連絡を寄越したのは、そう言う理由があったのです。
幸い、抽選にもつれ込むことはなく、3/19の予約が取れました。

それからの1年は飛ぶように過ぎました。途中、2015年8月にGP1stが開催され、1000人の定員が埋まったことで、004の正しさは証明されました。彼は正しかったのです。

事前予約で定員は埋まり、450名にまで拡大しました。
そして、当日がやって来ました。

折からの雨もあり、来てくれたのは383人でした。定員よりだいぶ少なかったものの、万が一に備えて余剰利益をサイドイベントで吐き出す構成にしていた為、赤字はそこまでひどくはありませんでした。

大会には、たくさんの人が協力してくれました。
弊社メンバーだけではありません。地元の友人たち。花火屋の住民たち。静岡CSを支えるジャッジたち。サポート申請を担当してくれたカードショップの方々。イラストレーターさんのサインカードを送ってくださったお父さんプレイヤー。
参加者としても、関東古参勢をはじめとする旧知のみんなが駆けつけてくれました。iwataさんなどは、大量に飲み物を差し入れてくれました。

DM史にその名を残す界隈屈指のルーパー、phalanxが会場に現れてしまうなどの波乱はあったものの、大会は無事に終わりました。
(本当にいろんなことがあった1日でしたけれど、それはまた別の話)

帰り際、004に僕は言いました。
「あの飲み会の時、君が600人大会をやるとか言ってなければ、今日の大会は開いてなかった」
それを聞いた004は、とても彼らしい口調でコメントしました。
「そんなこと言いましたっけ?」

聞き様によってはいい感じの話ですが、ここで特筆すべきなのは、004はマジで何も覚えていなかったと言うことです。なんなら「研究室配属前に〜」と言う話すら、諸般の事情により配属が1年遅れたせいで粉砕されていました。なんなんだ君は。

おまけにこの半年後、彼はDM初のプロプレイヤーになることを発表。発表直前、夜中に連絡をもらった時は頭がどうにかなりそうでした。時間がなくなるとはなんだったのか。なんなんだ君は。



■結局、004とは何者だったのか
この質問に正確に答えるのは困難です。
岡山CSを支えた男?史上初のDMプロプレイヤー?いずれも完全な正解とは言えません。彼は、そんな1行で済むような上っ面の肩書きで言いあらわせる男ではないのです。

白昼夢を見ているかのようなアイデアを口にしたかと思えば、次の瞬間にはその実行に取り掛かっている。
さりとて何かに固執するわけでもなく、三ヶ月もすれば全く新しい何かに取り組んでいる。

誰にでも分かるように、多少の語弊を無視して一言で言い表すならば、彼は「損得で動かない」人間です。
600人大会も、プロプレイヤーも、ほかのアイデアも…もっと後になってから動き出した方が彼にとっては得だったでしょう。
何事も、最初の人物となるためには常に困難がつきまといます。時には、誤解も。

けれど、理解されなかったからと言って、彼が正しくなかったわけでは全くありません。そのことについては、既にお話しした通りです。
損得ではなく情熱で動いていた004という男にとって、魅力的なアイデアをずっと温めておくのは無理だったのでしょう。臆することなく自らの意思に従って行動し、新たな挑戦を続けた彼は、弊社、ひいてはDM界になくてはならない存在でした。

だから、「004とは何者だったのか」という問いについてはこう答えるしかありません。老いる事なく変わり続けた彼を正確に言い表すためには、「004は、004だったんだ」という他にないのです。



■余談
弊社内で一番引退宣言回数が多いのは僕なんですけど、その僕を毎回引き止めていた2人のうちの1人がこの004だったんですね。もう1人はThunders#36さんです。

なんで僕が辞める前にこの2人が離脱してるんですか?おかしくねぇ?

なお僕ですが、通算何度目かもよくわからん引退宣言を撤回して取り敢えずGPだけ復帰するらしいです。自分でも何言ってるかちょっとわかんないですが、そういうことになってしまったのでアレです。
しばらくその辺に止まる恐れがありますが、個人としては先のことは特に決めてません。いい加減TCG以外のこともやんないとよくないよね、ぐらいです。





 
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