(´・ω・`)苔むす





 




・ DM:積み込み返しの話が9年ぶりぐらいに再燃する

以前触れた、ホワグリプリンの話です。

■21:10追記


はい。ごめん。
本文は、上記がメジャーな例だと思って読んでください。



■概要
ホワグリプリン問題とは、一般に順序違いの連続行動として知られるホワグリプリンの処理における、ルール上の問題です。
現在では解決済み。


■ホワグリとプリン
《超次元ホワイトグリーン・ホール》は4コスト、光/自然の呪文で、以下の効果を持ちます。
 ・コスト5以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
 ・このようにして光のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、自分の手札を1枚裏向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
 ・このようにして自然のサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出した場合、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。

《勝利のプリンプリン》は5コスト、光/水/自然のサイキック・クリーチャー(超次元ゾーンから出てくるやつ)です。
テキストは気にしなくて良いです。

さて、ホワグリでプリンを出すと、ホワグリの下2つの効果を両方とも使うことが出来ます。
ここで慣れていない選手がやりがちだったのが、「3つ目の効果を処理してから2つ目の効果を思い出し、巻き戻して処理しようとする」というもの。
2つ目の効果は任意処理で、DMの呪文はテキストの上から処理することになっています。先に3つ目を処理してしまうと、2つ目を使用しないことを選んだかのように見えるんですね。

非公開領域の操作を伴っていないため、巻き戻して2つ目の処理からやり直したとしても、だれかに不利益が及ぶようなことはありません。
まあ巻き戻せばいいじゃん、つー感じですが…。


■発生した問題
なんとなく察しているでしょうけれど、こういうのって巻き戻していいよ派閥と巻き戻しは許さん派閥がいるわけです。
DMは競技レベルのイベントの参加者であっても結構この辺の感覚が分かれていて、人によって違ったんですね。それでまあ、戻す戻さないの話になるわけです。

いやいや競技レベルのイベントならジャッジ呼べばいいじゃん、と思うでしょう。まあそれはそうなんですよ。呼べるところなら呼べばいいんです。
でも、競技レベルのムーブを求められるのにジャッジが存在しない場所が、2010年ぐらいからDMにはあるんですよねぇ…。


■DM vault
vaultっつーのはネットでDMの対戦を楽しめるサイトです。専用のクライアントが必要なく、ブラウザで動作するのが特徴。2008年ごろにはもう存在したのかな。俺この辺が曖昧なんですよね。

そのvaultでは、毎日大会が行われていました。2010年ごろからクリックミスによる誤操作やプレイミスなどの巻き戻しを認めない文化が醸成されており、そして翌2011年にホワグリとプリンがリリースされました。

ホワグリプリンと言えば通じるようになるほどいろんなところでそこそこ問題になったせいか、みんな気をつけて遊んでいたのですが、別のカードで事件が起こってしまいます。



■BAGOOON投了強要事件
BAGOOONっつー、ターンはじめにドローさせてくれるクリーチャーがいるんですね。んで、DMではこの手の効果は「ターンはじめのドロー前」のタイミングで解決されます。
つまり、ついうっかり忘れてターンに入っちゃってから「あっ」と思い出すと、ホワグリプリンと似たような問題が起きるわけですね。

ただし、厳密には「1枚引いた後で追加ドローをどうするか考えられてしまう」と言う点で、ホワグリプリンとは違います。
しかしリアルでこれやらかしたとしても、だいたいの場合はジャッジによって追加ドローが容認されるでしょう。引かない理由、終盤じゃない限りないしな。

アリヒナさん

それを認めない上、無理やり投了を強要するような選手もいるわけです。今だったら非紳士的行為でごねてる方が即死ですし、当時も「マジであり得ない」とめちゃくちゃ評判悪かったのですが、この頃はまだ競技ルールなかったしなぁ。



■ロマネ宣言事件
vaultでは他にもこの手のトラブルが発生していました。有名なのは、ロマネ宣言事件でしょう。

ロマネってカードは、場に出たときに4マナ増やしても良いという効果を持っています。
vaultでとある選手がロマネを出し、4マナ増やしたのですが、それに対して「ロマネ効果は任意なのに、4マナ増やす効果を使うという宣言をしなかった!投了しろ!」とごねたやつがいたんですな。
上のBAGOOONと同じ手口です。チンピラかよ。



■ホワグリプリン問題の終結
そんなこんなで被害者側はずっと泣き寝入りだったのですが、2015年に制定された総合ルールによって順序違いの連続行動が認められるようになりました。ホワグリプリンの処理をミスっても巻き戻していいよと言うことです。

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Cがホワグリプリン。



■ルール化することにより失われるもの
これで万事解決…と言いたいとこですが、実際のところはあんまりそうでもなかったです。ここまで書いても、応用が出来ない人ってのはいるもので。

2016年に開催されたGP2ndの直前、とある認定ジャッジがこんな質問を公式側に出していました。

「デュエル・マスターズVS 8巻に付属する《終末の時計 ザ・クロック》のプロモは、GP2ndでは使用できませんよね?」

DMGP-2nd 大会フォーマット
※予選ラウンド、決勝トーナメントとも、最新の殿堂レギュレーションに準拠
(ただし、使用可能なカードは、2016/5/21までに正式発売・配布されたものまで。
5/28発売の「革命ファイナル第一章 ハムカツ団とドギラゴン剣」、及び、同日から新たに配布されるプロモカードは使用できません。ご注意下さい)

※本戦以外のサイドイベントでは、5/28発売の「革命ファイナル第一章 ハムカツ団とドギラゴン剣」、及び、同日から新たに配布されるプロモカードは使用できます。

確かに、GP2ndのレギュでは5/21までに発売されていないカードは使えません。
けれど、《終末の時計 ザ・クロック》の正式発売日は2013/6/22。GPより2年ほど前に発売されているわけです。

プロモ版の発売日が5/27だからと言って、そのVerの《終末の時計 ザ・クロック》だけ使えないなんてあるわけないですよね。
ホワグリプリンのような例は、実害が出ているからこそわざわざルール化されたんですよ。この例の《終末の時計 ザ・クロック》なんて、使えないメリットも使えるデメリットもないのに、使用を禁止する必要はありません。

もちろん公式の回答は、「5/27に発売されるVerの《終末の時計 ザ・クロック》も使用可能」でした。



ルール化するところの怖さは、こう言う部分にあります。なぜそれをルール化しなければいけなかったのかっつー、いわゆる「ルールの心」が失われ、何も考えず機械的にルールを適用したがる人が出てきちゃうんですよね。メリデメやコスパを気にもせずに。

 
ルールって難しいっすよほんと。



 
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