(´・ω・`)ジェレミー・イングランド



 

■出航〜アーロン(1-11)
アーロンまでが至高、みたいな無茶苦茶言う人もいるぐらい綺麗な流れ。週間でこんだけ伏線張って消化するのは偉いですよね。
この辺読み返してようやく気づいたんですけど、ワンピースってどっちかと言うとクローズとかあの辺よりな作りなんですね。理屈抜きに強くて楽天的な主人公がいて、暗い過去を抱えた奴が主人公のおかげで救われると。

俺、アーロン編の1億ベリーを掘り起こされるとこから「当たり前だ!!!!」の流れがめちゃくちゃ綺麗で好きなんですよね。余計なシーン1個も挟まずに描かれてる。
助けてって言われるまで手出しせずに話聞いてるルフィも大概すごいですよね。「ああ、知らねぇ」「ああ、言われた」とか、一切余分な修飾がついてないからこその良さがある。


■アラバスタ(11-23)
ここはなー、まずローグタウンでイガラムが囮になった次のコマで船ごと吹き飛ぶとこがすごいですよね。テンポが良過ぎる。し、ここで「立派だった」つってスパッと空気が切り替わるとこがうまい。
直前まで相手がめっちょ弱かったりなんやらで大して緊張感ないシーンなんですけど、ガラッと変わるもんなぁ。

んで次のリトルガーデンあたりから「ゾロが戦闘」「サンジが知恵」みたいな役回りになってくんですよね。だからアラバスタ突入直前にゾロが二段構えの目印を提案したとき「えっ意外」みたいな反応が仲間連中から出ると。

アラバスタ、結局イガラムとペルの生存に大して特にエクスキューズはなかったあたりでこの漫画の方向が完全に示されたかなぁと思います。
ワンピにおいて基本的に戦闘パートはキャラ立てやストーリー補足の為にあるもので、決してキャラ同士の強さ比べのためにあるもんじゃないんですよね。だからまあブリーチじゃないですけど、気持ちの強いほうが勝つことがほとんどです。物語上の都合で戦闘結果が決まるタイプの漫画ですよね。

もちろんそこに対して強引なつじつま合わせをやってるわけじゃなくて、「鍵は偽物だったけどたまたまキャンドル人間がいたから脱出できたぞ」「血も液体だし殴れるやろ」みたいな伏線の回収をして来てるわけですけど、週刊連載の都合上かどうしても追いつかんとこはあって、その辺はもうエクスキューズなしのゴリ押しで行っちゃう感じになってるんかなと言う印象です。
…イガラムが生きて到達できてるのも結構謎だよな。


■空島(24-32)
評判あんま良くないけど僕は好きなパートです。

評判良くないの、多分導入のせいだと思うんですよね。スゲェ雑に空島行き決めるじゃないですか。モンブランとかベラミーとか先に出してれば多分普通に面白いねで終わってたんじゃないかなー。
ジャヤでベラミー張り倒すとことかスゲェ良いですよね。あそこも描写が細かいんだよなぁ。昼間に見かけた弱い奴が来たと思ったらベラミーがワンパンで沈み、そして1億ベリーの手配書を見つける…と言う。単にモンブランのために取り返しに行くか、じゃなくて、ルフィとベラミーの間にも因縁を作っておくのが丁寧ですよね。

空島上がってからは、「ゴムだから雷も殴れるぞ」でちょっと笑いました。まあそうなんだろうけど、2パート続けて同じ方向のオチやなと思って。まあ悪魔の実の説明とかしたかったんでしょうね。
しかし相変わらず戦闘パートの伏線の敷き方と結果への反映が丁寧だよなぁ。金を腕に巻きつけて追い払ったと思ったらそのせいで雷球捌かれるとはエネルも思わなかったでしょうね。ほんとこう言う因果の結び方がうまい。


■ウォーターセブン(32-46)
50巻までの流れではアーロンの次に好きなウォーターセブン編と言うかエニエス・ロビー編です。

ここで一味から離れたロビンを追いかける役割がサンジに振られてて、やっぱり立ち位置としては参謀側なんだなーと思いました。一方の船長とゾロは壁に挟まってましたからね。なんやねん。

エニエス・ロビー、アーロン編と同じで暗い過去を抱えたキャラの思い込みをルフィが吹っ飛ばすパターンなんですよね。やっぱりそこは変わらず面白い。
ただこの辺から味方キャラ増えてきた関係上、戦闘パートがマシマシに。ワンピの戦闘って大したロジックがない(この時点では覇気もねーしな)ので、戦闘中に何かしらのロジックを入れ込もうとすると、サンジの"女は蹴らない"とか"海楼石の手錠"みたいな特殊事情を絡めないといけなくなるんですよ。

ので、戦闘を終わらせるのが大変なんすよね。VSブルーノみたいな明らかな格下戦ならサクッと終わっちゃって問題ないんですが、VSルッチみたいなボス戦は終わらせるのがしんどいよなー。もう最後、勝つ理由が気合いぐらいしかないですもんね。同格との戦いになっちゃうと。まあ同格相手だと気合いしかないのかもしれんけど、この辺りもクローズの構成に近い。


■スリラーバーク(46-50)
そしてそんな面白くなかったスリラーバーク編。

これなー、戦闘にブルックの事情があんま絡まないんですよね。なんだかんだでルフィたちも影をとられちゃうんで、影を取り返すと言うのがブルックのためではなくなって来ちゃう。
なんで、ワンピースの基本構造だったはずの「暗い過去を吹き飛ばす」が薄まっちゃってるんですよねぇ。ブルックの「寂しかった!!!」あたりは良かっただけに残念。

あとは、このあたりから戦闘にさしたるロジックが絡まない弊害が出て来ます。最終のオーズ+モリアせん、いつ終わるのかが全然わからないんだよな。何したら勝てるのかいまいちわからなくて、読んでる側がダレる。
その後のゾロの疲労の背追い込みも、どんだけ危ないものだったかがわかんないんすよね。気合いで生き残るを多用して来たせいで、緊張感がなくなっちゃってんだよなー。
多分この後にエースが死ぬのはその辺が原因なんでしょうね。そろそろ誰か死なないと話が引き締まらんでしょう。



そんな感じ。
細かい伏線の敷き方と拾い方、そして説明の割り切りがうまいっすよね。ルフィの心情を描いて状況説明…みたいなことをやらないからこの作品。どっかで意図的にやらないようにしてるって言ってたんでまあそうなんでしょうね。
 
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